夢詩 41~45

41.kotoba (2006.12.30)

誰かが君の為に泣く

それが知り合いでも他人でも

あなたを思い悲しむでしょう

だから 生きてください

人生の完璧さを求めるよりも

一緒に 歩きましょう…?

 

42.人間オンリー (2007.1.4)

笑った顔が無邪気に見えて

何かあれば「分からない」と応えられるのは

人間だけ

 

43.絡ム命ハ我ヘノ命 (2004)

森の奥深くにある宮殿
闇夜に燃える赤い月
今夜何かが起きる

暗さに迷うアゲハ蝶
星の如く輝く線の薫りに惑わされ
その身を薫りへと伏せた

否と煌めいたのは蜘蛛の糸
長く続くその糸は
蝶の身を優しく残酷に包む

アゲハ蝶 蜘蛛の呪縛に囚われて
最期の月夜を仰ぎ見る
血が差した月だった

八足蜘蛛 青黒い空を背にし
糸に絡むアゲハ蝶に足をのせた
羽は鮮やかな色彩を含んでいた

花が散った頃
アゲハ蝶は哀れな姿となっていた
羽は裂かれ 色を失った
足は取れ 身は失くなった

月が沈む頃
蜘蛛は遺った薔薇の薫りに浸った
体内で眠るアゲハ蝶
もう一度消えゆく身は
蜘蛛の命を永く続かせる

 

44.人魚姫(2004)

もし願いが叶うなら
もう一度貴方に…

潮風が髪を擦り抜け
静かな海と合わさった
顔を上げればそこに
私の知らない世界があるの

雨の日も嵐の時も思う
貴方だけを

軋む義足(アシ)で歩くたび
貴方は近く遠く
海の中で眠る時
涙流れて消えていく

ある日思ったよ
私の想いは届かない、と
でも いいの
貴方が居てくれるだけでいい

海に入れば二度と戻れない
泡になって私は最期

海に戻れなくてもいい
私は貴方を包む存在になるの
気付いてくれなくてもいい
私が分かっているから

もし 貴方にこの声が聞こえたら
海のように静かに時を過ごしましょう

 

45.道のり (2007.1.12)

嬉しい
悲しい
悔しい

そこへ行き渡る道のりが
一番心を砕く

結果より過程が
人を心を弱く強くする

 

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