闇詩 16~20

 

16.苛み (2006.12.26)

何度犯されることだろう

心も体も

あぁ 漏れる荒い息

あぁ 濡れる黒い罪

赤い血が 流れてく

 

17.Rain Tear Rain (2006.12.26)

もし雨が

心が軋んだ痛みを歌う人の涙なら

一体、どれだけの人が苦しんでいるのだろう

ぽたぽた

ぱたぱた

あぁ…また

また降ってゆく

苦しい歌を奏でながら

涙を零しながら


ぽたぽた

ぱたぱた

ぽたぽた

ぱたぱた


これだけの雨を

誰が受け止められようか

 

18.悪戯 (2006.12.28)

此処から消えるのは簡単だ

深紅に抱かれながら飛び

そして堕ちればいい

でも恐れているんだ

消えることが怖いんじゃない

消えることは怖くない

怖いのは


もう二度と お前に会えないことだ

もう二度と お前の手が掴めないことだ


こんなにお前を求めるぐらいなら

お前と出会うんじゃなかった

 

19.痕 (2006.12.28)

張り巡らす 命の痕

制裁を下す 首筋の痕

生きる証の 手首の痕









痕を付けて付けられて

自分を生きていくんだ

 

20.赤い水蛇 (2006.12.29)

まさぐる血の匂い

血溜まりの中で

眠る君

抱いて 味見をする

血が舌の上で踊る


強く抱いた

今にも目を開きそうだ

手首さえ縫ってしまえば

動き出しそうだ

そんな人形のように

上手くいかないのだろうけど


掌は紅い

拳も紅い

紅い蛇が手を伝う

今にも食らいつきそうだ


微笑んだ

あぁ そういえば



そういえば 俺が

君を殺してしまったんだね

 

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