闇詩 21~25

 

21.刺示 (2006.12.29)

あの人が放った

傷を重ねた言葉の刃は

心を串刺し

そして 悲鳴をあげた

言葉は何を示したのだろう…?

 

22.近くで君だけを見ていたかった (2006.12.30)

もっともっと近くで

君を見ていたかった

頬に触れて

君の視界ごと奪いたかった


切なくて 切なすぎて

不安になって 噛み付いた


でも怯えてしまって

君の首筋を通り過ぎて

君の首筋を絡み付く

ネックレスを噛み切った


蒼い雫型の宝石が

君の首筋からぽとりと落ちた


もっともっと近くに

居てあげれば君は

自分を責めて散ることは

無かったのかな……?

 

23.kokoro殺人 (2007.1.14)

心は人を癒す

心は人を殺す


思いは人を癒す

思いは人を殺す



人を殺していなくても

私達は相手の心を

殺してしまうかもしれない

または

殺してしまったかもしれない

自分が気付いていないだけで

傷をつけたかもしれない


心は相手と自分に

救済と破壊をもたらす

 

24.君の (2007.1.23)

君のせいだ…――


流れ星になりたかった
綺麗だからじゃない
儚いから
すぐに消えてしまうから
風のように時を渡って
その中に思い出を流して
全てを忘れてほしい
全てを忘れてほしかった

風が止む
誰かが止めた
君が止めていた
何故か笑っていた
何故か離れなかった


君のせいだ…――


君のせいで…――


消えるのが怖い…――

 

25.君さえいなければ (2007.1.24)

君さえいなければ
こんな思いを
抱いて生きなかった
抱かずに死んで逝けた


君さえいてくれたら
一筋の光を信じた
闇に立ち向かった


君さえいなければ
君さえいてくれたら


君さえいてくれたら
君さえいなければ


願望が叶わなかった
願望が叶えられた

 

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