「こんにちは」
「こんにちは」
「君は[死神]を知っているかい?」
「――いいえ」
「怖い奴なんだ。名の通り、人を殺していくんだ。関係なくね。この前、どこかの金持ちの主人が殺されたらしい…恐ろしいと思わないかい?」
「そうですね」
「あなたは[死神]を知っているかしら?」
「――いいえ」
「とても優しい人ですのよ。名の通り、人に憎まれている人を殺していくんですって。
この前、どこかのお金持ちの奥さんが主人が殺されたおかげで保険金が大量に得られたそうですわよ――恐ろしいと思いません?」
「そうですね」
「見つけました」
「誰だい?」
「名乗る必要はありませんよ……死神」
「私を知っているのか」
「様々な人に聞かされましたから」
「そうか」
「貴方は人に愛され、憎まれていることも」
「そうか――でも、」
「?」
「それはお前ら人間にもあるだろう?もちろん、お前もな」
「そうですね」