1
ずっと待ち焦がれてた
桜の息が吹かれぬうちに
耳を澄まして聞く
散る頃には届くであろう
文(フミ)の音(ネ)を
2
帯を締め
袖から7枚の色を魅せて
春を告げるため
そっと笑いかけるのです
今年は私の春の番
次はあなたの春の番
3
花は芽吹き 吹き 散る
常に同じ姿をせず
常に代わり続ける
人もまた花と同じ
4
同じく舞を
さらば散る
黒髪に送った
愛の形
5
春の君よ
夏に己を渡し
散ろうというのか
新たな命のかたち
いつまでもこの場所で
見せ続けてもらおうぞ