灰闇 1~5

 

1 

どうして?

暗闇に抱かれた感触

私はこんな風になりたかったんじゃない

真珠のような涙をのんで

深く突き刺すのだ

 

2

首を掻きむしった

溢れる血が

木の根のように落ちる

誰かを守る

何かになればよかったのに

 

3

隠し通してきた自分が

汚いように見えた

やめて やめて

汚いなんて言わないで

この方法しかなかった

他人と一緒に生きるには

傷つけたくなかった

傷つきたくなかった

 

4

最期に見開いた目は

僕だけを見てくれたね

とてもとてもとてもとてもとても

幸せだよ

 

5

荒れた部屋

自分の心のようだ

きっとそれは

無意識のサイン

 

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