灰闇 16~20

 

16

吐いた血が

汚い自分に見えた

 

17

うずくまる

血だまりを見て思う

今まで暗闇を歩いてきた

けれど今は血だまりが見える

もっと歩けば尚更明るくなるだろうか

血だまりだろうが何だろうが

歩いているこの方向は誰でも一緒だ

 

18

子どもはいつだって

よく視てる

大人たちのことを

純粋なその目で

言葉で伝えられない代わりに

その目に全てを宿すんだ

 

19

嬉しい言葉を

薬に出来たらいいのに

痛くなったら飲み干すの

薬物依存に言葉依存

ほら あなたの次の

次のコトバが怖いよ

 

20

裂いた傷に熱い水

じくじく侵入する痛みに

……笑った

 

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